高校「情報Ⅰ」の教科書には、モデル化とシミュレーションの単元の実習案として家具の配置のシミュレーションが紹介されています。スライド作成ソフトや表計算ソフトなどで実施してもよいのですが、必ずしもそういったソフトに慣れている生徒ばかりではないのでみんなが使いやすいものがほしいなと思って、授業用に家具配置のWebアプリを作ってみました。
Table of contents
使い方
生徒に配る端末で動くように、文字を極力減らしたシンプルな作りにしています。キーボード操作もいりません。
- 画面の見かた:
- 左側(間取り): 1マス=20cmの方眼紙です。あえてちょっと住みにくそうな、柱の出っ張りや窪みがある間取りにしています。
- 右側(家具パレット): ベッド、ソファー、机、テレビ台、ローテーブルの5つ。それぞれ「大」「小」が選べます。
- 基本操作:
- サイズを選んで「+ 配置」を押すと部屋に家具が出ます。
- 置いた家具は、指やマウスでドラッグして好きな場所に動かせます(20cmや10cmのマス目にピタッと吸着します)。
- 家具をタップすると、上に「回転」「大・小切替」「削除」のボタンが出ます。端っこに置いたときは邪魔にならないよう横に出てくれます。
- あえて警告を出さないのがこだわりです:
- ドアの開く場所や窓を家具で塞いでも、アプリは一切怒りません。「置けちゃうけど、これじゃ暮らせないじゃん!」と生徒自身に気付いてほしいので、あえて不親切に作ってあります。
使用例
5分くらいでさくっとやっています。
「一人暮らしするとしたら住みたい部屋にしてみてください」といって好きに間取りを組んでもらっています。終わったら「周りの人と理想の間取りを紹介してみて」というと、お互いの部屋にツッコミを入れ合って大いに盛り上がります。
授業での発問例
生徒が楽しそうに配置し終わったあと、黒板の前でこんな風に聞いています。
「このシミュレータを使うと、どんな失敗が防げると思う?」 「大きすぎる家具を買ってしまう」「ドアやクローゼットが開かない」「人が通れるスペースがなくなる」といった答えが返ってきます。
「じゃあみなさんの理想の間取りが決まったので、壁紙の色は私が勝手に決めていいですか?」 当然「嫌だ!」と嫌がられます。そこで続けて聞いてみます。
「じゃあ、このシミュレーションでは『絶対にわからないこと』は何かな?」 「壁紙の色」「部屋の雰囲気」「家具の高さ」といった答えが生徒から自然と出てきます。
ねらい
この実習を通して生徒に伝えたいことは、「モデル化やシミュレーションって役に立つけど、わからないこともあるよね」ということです。
こんな簡単なモデル化とシミュレーションでも、「サイズの合わない家具を買ってしまう」という大きな失敗を防ぐことはできます。でも、現実の部屋や家具を単純な二次元の平面で表している以上、当然表現しきれていないこともたくさんあります。
モデル化やシミュレーションは完璧なものではなく、目的に応じて使うものなんだな、ということを生徒が感じてくれるとうれしいです。